【概要】
人気対戦格闘ゲーム『GUILTY GEAR』シリーズの生みの親として知られる石渡太輔氏が、現代のAAA(超大作)ゲーム開発の在り方に一石を投じる発言をし、海外で大きな注目を集めています。
石渡氏が危惧しているのは、スタッフの「専門分化しすぎ」です。あまりにも巨大化した開発現場では、一人のスタッフが「何十年も一つのこと(例えば、背景の草を配置することなど)だけに従事し、気づけば他のことが何もできなくなっている」という状況が生まれているといいます。
これは単なる効率の問題ではなく、クリエイターとしてのキャリアや、創作のパッションに関わる深刻な問題です。この「開発現場の歯車化」について、海外のゲーマーや開発者たちはどう感じているのでしょうか。
・ゲーム業界が他の分野とこれほどまでに違うっていうのは、考えてみると奇妙な話だ。たとえ何かの専門家であっても、自分が作っているものの全体像や文脈くらいは理解しておくべきだと思うんだがな。
・映画や演劇の世界とそれほど変わらないさ。映画界の「グリップ」担当だって、一度その役割に固定されたら一生抜け出せないこともあるんだ。
┗ ・『ロード・オブ・ザ・リング』の制作中、何年も何年もただひたすらに鎖帷子のリングを繋ぎ合わせるためだけに雇われたスタッフが二人いたって話を知ってるか?
┗ ・ああ、特典映像で見たよ。彼らが誇らしげに語っていたのが印象的だったが、あれを20年続けろと言われたら……流石にゾッとするね。
・問題は、特定の場所に配置された「草」が一本なくても、実際にはほとんどのプレイヤーが気づかないってことだ。それなのに、そこだけに人生を捧げる人間が必要だなんて、皮肉な話じゃないか。
・鎖帷子作りを趣味で楽しんでいる連中もたくさんいるけどな。仕事となると話は別か。
・最近のゲームには、そこまでの専門化を必要とするアセットが多すぎる気がするよ。グラフィックの進化が首を絞めている典型的な例だ。
・専門化のレベルは職種にもよるだろう。中には、一つのことを極める「超専門化」を心から愛しているタイプもいる。
・テクニカルアーティストのような専門職でも、最近はより広い知識が求められるようになってきているぞ。結局、ジェネラリストの視点がないと仕事にならないのさ。
┗ ・ちょっと待ってくれ、そもそも「テクニカルアート」って具体的に何を指すんだ?
┗ ・簡単に言えば、数学の知識を駆使してGPU上で動くコード……つまりシェーダーなんかを書く仕事だ。アートとエンジニアリングの懸け橋ってところかな。
・プロジェクトの間中ずっと草を配置し続ける。これは「専門化」なんて高尚な代物じゃない。「機械の歯車」そのものだよ。
・スーパージャイアント・ゲームスのダレン・コーブを見てみろよ。彼は作曲もすれば、声優もやり、効果音まで全部自分でこなしている。これこそが理想のクリエイションじゃないか?
┗ ・それはインディーだからできる芸当さ。AAAの規模でそれをやろうとしたら、発売日が来世紀になってしまう。
・日本の労働法(あるいは労働文化)が、専門スタッフを同じプロジェクトに留めやすくしてしまっている側面もあるかもしれないな。
・私のチームでもちょうどこの話をしていたんだ。誰もが「専門家」を欲しがるが、いざ新しい領域のトラブルが発生すると、途端に誰も動けなくなる。これからは再び「ジェネラリスト」の時代が来ると思うよ。
・どの業界でも同じ悩みはあるが、一度専門特化しすぎると転職が難しくなるのが怖いところだ。特に日本のような文化圏では、キャリアの方向転換はより困難だろうしな。
・「20年かけて草の配置をマスターしました!」……履歴書にそう書く自分を想像してごらんよ。震えが止まらないだろ?
・AAA開発の予算が膨れ上がるのは、こういう「過剰な細分化」による非効率も原因の一つなんだろう。
・石渡氏は真実を突いている。かつてのゲーム開発は、もっと泥臭くて、みんなが何でもやっていた。あの頃の「魂」が、今の綺麗なグラフィックの下で死にかけているのかもしれない。
・実際、UE5みたいな強力なツールが出てきたおかげで、一人の人間ができることはまた増えてきている。専門化の波は、ツールによってまた緩やかになるんじゃないかな。
・それでも、一箇所に100通りの草を植えたがる完璧主義者がいる限り、この問題は消えないだろうね。
・結局のところ、情熱をどこに向けるかだ。草の配置に芸術を見出すならいいが、命令されてやってるだけなら、それは確かに地獄だ。
・20年もあれば、もっと違う何かができたはずなのに……という後悔。彼が言いたいのは、開発者が「一人の才能」として扱われなくなっている現状への警告なんだろう。
・全く同感だ。今のAAAは工場と同じだよ。クリエイティビティなんて、工場のラインの上には落ちていないのさ。
・彼がギルティギアであれだけ尖ったデザインを維持できているのは、彼自身が多くのことを理解しているからなんだろう。
・「職人」と「労働者」の境界線が曖昧になっている。私たちは美しい絵を描いているのか、それともただピクセルを埋めているだけなのか。
・この発言を機に、開発体制を見直すスタジオが増えるといいんだが。
・「専門家」でありつつ「ジェネラリスト」の視点を持つ。言うのは簡単だが、今のスケジュールじゃ不可能に近い。
・20年後の自分を想像して、絶望する前に辞める。それが、現代の開発者に残された唯一の防御策なのかもしれない。
・皮肉なもんだな。ゲームをよりリアルにするために、開発者の人生がリアルじゃなくなっていくなんて。
・彼は勇気を持って発言したと思う。業界全体がこの問題に蓋をしているからね。
【管理人のコメント】
最新のゲームがどれだけ美麗になっても、それを作る現場が「草を植えるだけの20年」だとしたら、あまりに虚しい気がしますね。石渡さんの言葉は、クリエイターの魂を守るための悲痛な叫びのようにも聞こえます。


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